法相宗大本山 薬師寺(2007.05.19)
流れているのはいつもと同じ時間。
しかしここではその流れが確実に緩くなっている。
天武天皇が持統天皇の病気平癒を祈願し、
飛鳥の地に創建されたのは天武天皇9(680)年。
平城遷都に伴い、現在の地に移ったのが養老2(718)年。
薬師寺開眼1310年。気の遠くなるような永い時間。
今私たちはここに立ち、1300年前も誰かがここにいた。
ここは平城、古の都。まほろばの郷。
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そもそも、このライブのことが発表になった時は「何で薬師寺?」と思っていたわけですが。Present Tree Liveの概要を読むと・・・なるほど、そういうことなのね。
薬師寺に限らず、奈良の地を訪れること自体が、中学校の修学旅行以来だと思われる状態。京都はしょっちゅう行っても、奈良まではなかなか足を延ばすことが無かったので、これはいい機会。あれも見たい、これも見たい。ライブと同じかそれ以上に、仏閣に対する期待も高まります。まあ、それはまた別の話なのでここでは割愛。
ライブについては、おそらくあの会場にいたほぼ全ての人が同じ感想を持っているのではないでしょうか。それは、
寒!
ということ(笑)。いや、冗談でなく寒かったですよ。東京が昼夜問わず暖かく(時には暑く)なっていたこともあり、羽織るものなんか一切持ってこなかったので、かなり難儀しました。奈良ってこんなに寒いところだったっけ?
今回は場所柄とバンドメンバー、特に斉藤恒芳氏のアレンジの影響が大きく、「うたの木 cafe voyage」の延長という色合いが強かったです。まさかそこに「月の沙漠」が入ってくるとは思わなかったけど。しかもあの歌は、鳥取砂丘を見て作ったとかなんとかって噂もあるけど、まあいいか(笑)
(月の沙漠記念館は千葉県の御宿海岸にあるらしい。なんか、ステージの意思とは違う方向に進んでいる気がする・・・(苦笑))
さて、この手のライブで私がいつも気にしていること。
「まさか立って拳振り上げはないよね?」
特に今回は、段差・傾斜が無い場所ですので、前で背の高い人に立たれた日には後ろで泣く人続出だと思ってました。しかもどういうわけか、いつもよりも平均年齢がだいぶ高かった=美里ファン以外の人も結構来ているようでしたので、これは気をつけなければ・・・って感じで、美里本人も「周りにダンスを披露したい人は気をつけて」という具合に、遠まわしに「ダンスは無し」的なMCをしていました。
が、とにかく寒かった5月19日の夜。「SHOUT」でついに立ち上がる人が現れ、それを合図にオールスタンディング状態へ。心の中では納得していなかったのですが、まあ寒いから仕方ないか、という気も。ただ、そのための選曲としてはちょっと物足りないというか、違うというか。本当に踊らせたいなら、もっと違う選曲をしていたでしょう。やっぱりステージ上でも想定していなかった事態だったのかな?
でも、たぶん寒くなくてもやっぱり立っちゃう人はいたんだろうな。観る側も本当にそろそろ場所と内容を考えた行動を取らないと。前から言ってるけれど「こうしなきゃいけない」っていう正解は無い。正解は無いけれども、その場に合ったベターな選択はできるはず。このライブは何を目的とし、何を聴かせたいのか。そして私たちは何を聴くのか。
アンコールでは、新曲の「ココロ銀河」に続き、「10years」と「サンキュ」。1310年から比べると本当にわずかな時間ではあるけれど、掛替えの無い時間。本当にありがとう。
ライブが終了し、ステージ上には美里一人。ここで薬師寺の管長が登場し、挨拶。今回のライブのために会場を提供することは、おそらく相当の勇気と努力が必要だったのではないかと思います。そんな管長の言葉です。きっと心に染みるはず。
「渡辺美里教の集まりかと思いました」
「後ろで聴いていて、1300年前を思い出しました」
どうしてこの寺の坊さんは揃いも揃って・・・(笑)。ちなみに、「渡辺美里教」に関しては、15年も前から感じていましたので、何の違和感もありません(笑)
「1300年前とは、服装が違います。言葉も違います。しかし変わらないものもあります。それは音楽があるということです。おそらく当時も、この場所で音楽が奏でられ、歌われていたでしょう。奈良の寺は最先端の文化を発信していました」
「今、薬師寺は再興の途中です。しかし木が足りません。今回のPresent Treeでは植林を行います。木が足りません。この催しは今年だけでなく、2回3回と続けていかなければいけません。」
今回のイベントで得た収益から、熊本県球磨村に1万本の植林が行われるそうです。その木々が育ち、本当に林や森になる頃には、私たちは存在していないかもしれません。でも、そこに残した気持ちと魂は存在し続けます。
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そもそも薬師如来は
「東方浄瑠璃世界の教主であり、12の大願を発し、瑠璃光を以て衆生の病苦を救うとされている」
仏様。
現代において、病んでいるのは人間だけではありません。
私たちの暮らしているこの星そのものが、病んでいます。
それも、人間が行うさまざまな活動により。
地球の病苦は、我々が思うよりも速く進行しています。
今回のイベントは、その収益の一部で植林を行うことを目的としています。
これが薬師如来の導いた答えの一つということでしょうか。
1310年は確かに私たちにとっては永遠とも思える時間。
しかし宇宙の歴史から見れば、ほんの瞬き程度でしかありません。
人間なんて、その瞬きのうちのさらに一瞬しか生きられないのです。
私たちが考えるべきは「今」を大事にすることで「未来」に何を残せるのか。
ライブが終わり見上げた空には、いつもより多くの星が瞬いていました。
曲目
- 跳べ模型ヒコーキ(インストゥルメンタル)
- Welcome
- すき
- その手をつないで
- My Love Your Love (たったひとりしかいないあなたへ)
- 蘇州夜曲
- 月の沙漠
- ムーンライトダンス
- SHOUT[ココロの花びら]
- もっと遠くへ・・・
- 世界で一番遠い場所
- My Revolution
- 青い鳥
- サマータイムブルース
- ENCORE -
- ココロ銀河
- 10years
- サンキュ
サポートメンバー
Piano / Arrange : 斉藤恒芳
Guitar / Arrange : 小倉博和
Drums : 松永俊弥
Bass : 竹下欣伸
Saxphone : 竹野昌邦
1st Violin : 真鍋 裕
2nd Violin : 藤堂昌彦
Viola : 大先生室屋
Cello : 遠藤益民
※レポの内容を予告無く書き換える場合があります。
参考文献:
ウィキペディア「薬師寺」の項
ウィキペディア「薬師如来」の項